「模写とは不思議なもので、普通の鑑賞認識とは別の要素が見えてくる。その中で、必要と不要の分別が生まれる。同時に要点の整理が想定される。模写は、より効果的な学習方法であるといえよう。初心者はもとより、経験豊かな画家にとっても、自作の工程の検証等に有効な手段である。」(本文「はじめに」より抜粋)日本の西洋画の魁であり、今なお日本を代表する水彩画家である浅井忠。本書はその作品をじっくり鑑賞し、模写することで、ご自分の技術向上に役立てていただこうというもの。浅井忠の名作11点のほか、初心者でも取り組みやすい模写の方法を写真で丁寧に紹介。浅井忠の人となりも織り交ぜながら、技術だけでなく、描画に対する姿勢や歴史的背景も学びます。