月東湊/著それは、ある長閑な春の日のこと。4歳の弟・悟にせがまれて近所の山へ足を運んだ春原智一は、そこで石や水を落とし込むと美しい音色を奏でる、不思議な穴を見つけた。興奮し、穴を覗き込む悟―と、その瞬間、地面が崩れ、智一は弟ごと地下洞窟に真っ逆さま!「上から余計な物を落としたのはお前たちか」無傷を喜ぶ間もなく響いた、怒りに満ちた声。震え上がった春原兄弟の前に現れたのは…!?獣度満点、犬神×人のハートフル幻奇譚。