知識と料理を1冊で網羅。パスタとソースのバリエーション152パスタの発祥、名称の由来、地方性、形状、食感や味の特徴、伝統的な使い方から、生地作り、成形法、ソースとの組み合わせ方、料理の仕上げまで、すべてを網羅して解説したこれまでにないパスタ全書。3名の著者はいずれもイタリア料理界を担う東西の実力派シェフ。それぞれイタリアの北部、中部、南部での豊富な修業経験があり、パスタについても熱い持論の持ち主です。パスタのプロフィールをしっかりと理解した上で、そのおいしさをどう表現するかがシェフたちの腕の見せどころであり、本書のおもしろさ。紹介するパスタは手打ち・乾麺あわせて112種。さまざまな素材やソースとのマッチングで計152皿のパスタ料理が登場します。プロの目線で知識と実践を結ぶ、料理人必携の1冊。登場するパスタの種類、料理のバリエーションだけを見ても、数あるパスタ本の中で群を抜いていると思いますが、本書のおすすめな点は、単にたくさんの事例を並べただけ、ではなく、掲載順についても、解説の仕方についても、常にパスタ同士の相関関係を意識しながらまとめられているという点です。たとえば、「同じ形状のパスタでも、この地方では○○と呼ばれ、別の地方では△△と呼ばれる」、あるいは「このパスタの細いものが○○で、幅広にしたものが△△である」、また、「このパスタとこのパスタは、大きな意味では同じグループとして括ることができる」というようなこと。膨大で複雑なパスタの世界──本書を読み込むことで、少し整理しながら、理解を深めていくことができると思います。そして、それらをコンパクトにまとめたのが、「パスタ名 小辞典」と題した用語解説のページです。『作者介紹』西口 大輔(ニシグチ ダイスケ)1969年東京都生まれ。’88年より東京・西麻布の「カピトリーノ」(現在は閉店)でイタリア料理の修業を始める。’93年に渡伊し、北部のヴェネト州、ロンバルディア州で研鑽を積む。修業期間の最後を過ごしたミラノの「サドレル」ではパスタシェフを任される。’96年に帰国し、東京・代々木上原の「ブォナ・ヴィータ」(現在は閉店)の料理長として活躍後、2000年に再び渡伊。ミラノの南に位置するパヴィーアのリストランテ「ロカンダ・ヴェッキア・パヴィーア」へ入店後、料理長を5年間務める小池 教之(コイケ ノリユキ)1972年埼玉県生まれ。1993年から「ラ・コメータ」(東京・麻布十番)で修業を始め、約5年間学んだのち、「パルテノペ」(東京・南麻布、恵比寿)で3年間働く。その前後に数店の経験を経て2003年に渡伊。北部はトレンティーノ=アルト・アディジェ州、ピエモンテ州、中部はウンブリア州、南部はプーリア州、シチリア州、カンパーニア州のトラットリーアやリストランテなど計6軒で修業を積む。その合間を縫って、肉店で加工技術を学ぶなど各地を巡り、さまざまな郷土料理と伝統的な食文化を吸収する杉原 一禎(スギハラ カズヨシ)1974年兵庫県生まれ。地元・西宮市の「ペペ」でイタリア料理の修業を始める。5年半を経て、’97年に渡伊。カンパーニア州ナポリの「ラ・カンティーナ・ディ・トゥリウンフォ」で2年間、同州ソレント近くの「トッレ・デル・サラチーノ」で2年間学ぶ。また、パスティッチェリーアでも修業し、ナポリほか南イタリアの菓子にも精通する。帰国後の2002年に芦屋市内に「オステリア オ ジラソーレ」を開業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)